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小さな秋の楽しみ・・・

 数年前のこと。10月中旬の頃だったでしょうか・・・青森県三沢市の周辺を車で通りかかったときのこと。畑が見えるのですが何の畑かわかりませんでした。人の身長の高さくらいまでうっそうと伸びた蔓と葉。その葉は黄色く枯れておりいったい何の畑やら???地元の方に尋ねたところあの地方独特なイントネーションで『長いもの畑だよ』と教えてくださいました。長いもと言うと『いも』というだけに土の中のイメージがありますが、実は蔓性の植物で支柱とネットに絡みついたたくさんの葉っぱが印象的でした。
 その黄色く枯れた葉は長いもの収穫の合図だそうです。あわせてその葉の影に小さな実が至るところに実をつけています。この実の収穫にもいい時期とのこと。この実こそがおなじみの『むかご』です。
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 写真で見ると黒い粒々にしか見えないかもしれませんね。(苦笑)写真にしたものは大きめの物で黒豆よりふた回りほど大きさの物でしょうか。この『むかご』は長く伸びた蔓に付く葉っぱ一枚一枚に実をつけておりひとつの蔓から100の実が採れることもあるようです。この実自体は山芋の類には必ずできるもので、先程の長いもや、自然薯(じねんじょ)にも実がつきます。何故これだけ多くの実をつけるかと申しますと、子孫を残すことが目的で、『むかご』そのものを土の中に入れておくと芽が出てきます。自然界ではそのまま落ちて土に還ってしまうのがほとんどですが、まれに発芽し、新しい苗に成長するそうです。
 さてさて、蛇足ばかり多くなってしまいましたが、簡単に召し上がっていただくならば塩茹でで。また素揚げもいいかもしれません。さっと塩を振りかけて・・・また、有名なのは炊き込みご飯でしょうか。こちらも味付けはさっぱりと塩だけで炊き上げるのがおすすめ。いずれの料理法も季節の味を感じていただくためにシンプルに・・・青森で長いも畑に遭遇したときに地元の方に『むかご』をご馳走になったんですけど、肌寒い初秋の農家の作業場に用意されたストーブの上におもむろに乗せて焼けるまでじっと待つ。といったまさしくシンプルな食べ方でした。味のほうは『芋』なんですけど、コクがあるというか食べた雰囲気もあるんでしょうけど(笑)、何個でもいけそうでした。
 小さな実ですが、皮をむくと、緑色の薄皮が中にあります。この色を料理に活用する場合もあります。小さくてむきにくい場合は串に刺してむいてみてください(プロの方おすすめの方法です)量販店ではなかなか出会いにくいかもしれませんが、季節に敏感な飲食店などではお通しなどでお目にかかるかも知れませんね。
 我が家では芽が出る物は何でも土に埋めて育てる事を趣味としてる人がいまして、これまで、さつまいも、じゃがいも(プランターですが二つほど実をつけました!)、アボガドなど植えてみました。今は春先に植えた『くわい』を掘り起こすのを楽しみにしてるんですが、植物学的には全国的に自生するそうなので、『むかご』を勧めてみます・・・
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『慈姑(くわい)』を5個ほど植えてます。高さ50センチほどまで伸びてます。

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野菜で作った???

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 朝晩めっきり涼しくなりましたね・・・私が仕事へ出かける夜明け前といった時間などは肌寒い日も出てきました。先日のこのページで季節の彩りの演出として『掻敷(かいしき)』のお話をさせていただきましたが、今回は違った方法での季節の演出をご紹介したいと思います。

 《野菜を使って・・・》
 上の写真、上段の二つは菊の花を形取ったもの、下の段は真ん中は松茸、左右はもみじをそれぞれ表現したものです。秋の季節によく用いられるものを写真にしてみました。もう、ごらんいただければおわかりいただけると思いますが、すべて野菜で作っています。左側の2点はにんじんで、左上の菊の花は大根、里芋で作った松茸、ピンク色のものは里芋に手を加えた後で、梅酢で色付けしたものです。これらは『むきもの』といって、野菜を材料とし、包丁や彫刻刀のような刃物、または型抜きなどを利用して花や生き物などを作り上げることを言います。もともと季節感を出すだけでなく、祝い事などの祝賀の料理に多く用いられていました。そのため、動物でも、縁起のよい鶴や亀といったものがほとんどです。

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 こちらは上段は年始のおせちの中には欠かせないくわいで作ったもの、下段は里芋で作った長寿をあらわす亀と
上の写真にもある松茸です。『むきもの』の需要はやはりおせちの時期である年末がかなり高く、12月も10日を過ぎるとこの仕事にかかり切りになります。もちろん一個一個手作りで行いますので、途方もない時間を費やすこともしばしばです。

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 (上段はにんじんで作ったうぐいす、里芋で作った兜、下段はかぼちゃで作った木の葉、にんじんで作った蝶です)
 加工したものをさまざま用意して箱庭のようなものを作ることもあります。田園風景などを表現するのですが、ちょっとしたテーブルサイズのものでまさに芸術品の域に達しているものもあります。こういったものも写真もあるのですが後日またご紹介したいと思います。

 これらはうちの社長が作りました。実は私はまだまだ修行中の身でして技術的にはまったくかないません。今では需要が少なくなってしまった『むきもの』ですが、その昔は結婚式場を初めとした料理の場で多く用いられていたようです。型を抜いただけのものは人件費と原料費の安い国外で作られた冷凍物が幅を利かせるなど、料理の世界でもコストの削減が広まりつつある今、こうした技術が失われないようしっかりと守っていければと思います。

 

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9月9日は『○○の節句』??

 9月に入り、雨も多く、季節の変わり目を感じさせる今日この頃です。このような季節の変わり目にお供えをし、祝賀行事などを行った日を『節日』といいます。これが『節句』と言われる様になります。(おなじみの『端午の節句』、あの『節句』です。)あまり有名ではないかもしれませんが9月にも『節句』があるのです。9月9日『重陽の節句』です。この節句は菊と深い関係のある節句だそうです。菊を見る宴を催したり、菊の香りを移したお酒を飲んだり…(って、飲んでばっかりじゃん^^;)

 今回はその『重陽の節句』にちなみ、食べる菊、『食用菊』のお話です。
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 私どもでは、写真左)『黄菊(黄菊)』・同右)『もって菊』と呼んでいます。生産地は山形県が突出しており、古くから地元になじんだ野菜のようです。以下秋田、新潟、青森などでも栽培されています。
 菊は皇室の象徴でもあるように日本に古くから根ざしていますが食用の歴史は室町時代頃と言われています。近年では年間見られるようになりましたが、紫色した『もって菊』はこれからの秋の時期ならではの物です。この『もって菊』、『もってのほか』とも呼ばれています。ダジャレのようなネーミング。何故、そう呼ばれるようになったかは諸説あるようですが・・・
 食べ方ととしては酢の物や和え物、おひたしや天ぷらなどでしょうか・・・山形などでは漬物に混ぜたりしていますね。和食の世界では食べられる黄色い野菜がほとんどない中で、彩りの鮮やかさを演出する一品として重宝がられています。
 『どちらがおいしいの?』と聞かれることがあります。個人的には『黄菊』のほうが柔らかなのに比べ、これから出回る『もって菊』のほうが歯ごたえがあり、花びら一つひとつが筒状になっており、和えた調味料が絡みやすいため『もって菊』のほうがおいしいという実感があります。ゆでるときにお酢をたらすと色鮮やかに上がりますのでお試しあれ。
 観賞用の菊も食べられないことはないそうですが(そりゃそうだ^^;)、とても苦味が強いらしい。。。『食用菊』は苦味を抑え、花びらがやわらかくなるよう品種改良を経たものです。そういえば、若かりしころある方に『菊の花の葉っぱは春菊と同じように食べられるよ』と言われ、素直な青年だった私はその場でかじった記憶があります。ご想像の通り、とっても食べられるような代物ではありませんでした。。。(アホくさっ・・・(ToT))

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長月の旬~九月のおすすめ~

 『あくせくと起さば殻や栗のいが』
 この句は一茶のものです。季節の俳句や、旬にまつわる言葉とともにその月ごとのおすすめをご紹介しています。今月は栗と新ぎんなんです。

 ~茨城産など
 秋の味覚を代表する味覚のひとつ、栗の入荷が始まっています。栗の主成分はデンプンですがカリウムやビタミンCを中心とした各種ビタミンが豊富です。この成分を豊富に摂取するには渋皮ごと食べると効果的です。調理法としては栗ご飯や甘露煮、炒め物にいかがでしょう。下ごしらえのポイントは水やぬるま湯に長時間浸しておくと鬼皮が水分を含み剥きやすくなります。また、皮を剥いた場合は煮崩れしやすいので沸騰させないようご注意を。
 栗はその実を食べるだけでなく、お膳や盛り付けの際の季節感の演出にも最適。いが栗や葉も料理に用います。
 新ぎんなん~愛知・熊本産など
 お盆前後から姿を見ていましたが、やはり九月に入り秋の一品として売れ行きがよくなっています。ぎんなんはご存知のとおりいちょうの実なのですが、このいちょうの木、神社仏閣によく見られるのはなぜかご存知でしょうか?
これはぎんなんの実が精進料理の貴重なたんぱく源としての役割を持っているからだと言われています。この時期のぎんなんの特徴でもある鮮やかな緑色から『翡翠(ひすい)ぎんなん』とも呼ばれ、彩りには欠かせない存在になっています。風味豊かなぎんなんですが、あまり食べ過ぎると体調を損ねることもあります。特にお子様には五粒を目安にお召し上がりください。

 このほかにも…
 『九月二十八日は中秋の名月』 さといも・さつまいも・すすき・枝豆
 『きのこの季節です』        松茸・株まいたけ・あわび茸・エリンギ・ホワイトぶなしめじ
 『ぶどうの季節です』        巨峰・ピオーネ・藤稔・ロザリオ・甲斐路
 『その他入荷商品』        食用菊・もって菊・新百合根・紫ずきん(黒枝豆)
                                             などなど多数あります
 九月は秋の入口。新しい季節を迎え品揃えも豊富になってきます。食欲の秋、おいしいものがどんどん出揃います。

        
  

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